ファッションやインテリアのように
食べ物にも世界観があると思っていて、
どうやら私は食べ物の
世界観を好きになる傾向にあるようです。
たとえば、コーヒー。
味も好きだけど、
カフェ、マグカップ、窓からみえる街路樹
が連想されて、その風景にひたりたくて
飲みたくなります。
それをコーヒーの世界観とよぶなら、
最近気付いたんですが、
「発酵」も、世界観が好きです。
朝の薄暗い台所、アルミの鍋、
焦げ茶色の古いカウンター。
そんなものが浮かんで、嬉しくて、
仕込みたくなります。あれはなんだろう?
もちろん、味も好きです。
ごはんが発酵して甘酒に変わったとき、
キャベツが発酵してザワークラウトになったとき、
いい味すぎるし、いい香りすぎて、
食べたいを通り越して、
棚にかざっておきたくなります。
おいしいだけならおいしいっていえば済むのに。
味や香り以上に世界観に惹かれて、
なにかじっとしていられない気持ちになります。
これは、「幸せの象徴」が絡んでいます。
私には、昔から幸せの象徴と呼んでいるものがあって、
「風の抜けるダイニングテーブル」
「みんなで食べるジャンクフード」
「甘い野菜」
の3つです。これは別に、
それに目がないっていうことではなく、
団欒とか、家族とか、
食べることのできる健康とか、
この3つが
象徴するあれこれが
30代のころから、私の幸せの条件だということです。
ふとしたときによぎって幸せを感じ、
無意識に大事なことをこれで決めたりもしていた。
(決めるときは気づかないんだけど、
後からああそうか!と思うんですね)
まるで人生を通じて、長いスパンで、
少しづつその風景に近づこうとしているみたいに。
話がそれましたが、
おいしいさとは別の、
食べ物のもうひとつの指標、世界観。
これはおいしいにすっごくを何個つけても、
表現できるものではないから、
「甘酒、おいしい!」とかインスタなんかに書いていると
もどかしい気持ちになるのは確かです。
全然関係ないけど、小豆島って発酵がめちゃめちゃ早いんですよね。なんでだろうと思っていたけど、隣り町が醤油の町だからかも?発酵って、隣りに発酵ものを置くと早まるって聞いたことがあります。