こんにちは。薬膳ヨガ®︎の深井みほ子です。
酵素は砂糖をつかわないと発酵しにくいといわれていますが、何度かトライするうちに水と果物だけで、冬でもきちんと発酵するようになりました。
ここでははじめてでも失敗しない、りんごを使った砂糖なし酵素レシピをお伝えします!
砂糖なしで失敗しないりんごの酵素ドリンクを仕込もう
①材料と道具を揃える
材料はりんごと水だけです。
仕込み終わってからあわてて買いに行くことのないように、道具なども事前にチェックしておきましょう。
りんごの酵素ドリンク (2リットルガラス瓶)
<材料>
□りんご・・・2個(小さいときは3個)
□ミネラルウォーター・・・1~1.5リットル(市販のものでOK)
<あったら便利!>
□アルコール(瓶の消毒)
□安心やさい(農薬除去剤です。重曹でもOK!)
<そろえておきたい道具>
□キッチンペーパー
□輪ゴム
□ステンレス製おたま
□ざる
□温湿度計
温度と湿度もチェックしておこう
発酵に最適な環境は「湿度70度〜、温度20度〜25度」といわれていますが、そんなに神経質にならなくても大丈夫。たとえば、温度が17度でも湿度が80度などであれば発酵します。
日当たりの良い部屋、湿度の高いお風呂場などがだいたいどのくらいの温度と湿度なのかあらかじめ見ておきましょう。
②農薬をとる
酵素ジュースは果物の表面の糖質などをえさに発酵するので、農薬がついていると発酵が進みにくくなってしまいます。とはいえ、無農薬のりんごはなかなか手に入らないので、自然由来の農薬除去剤が便利。私は「安心やさい」を使っています。
③刻む
農薬をとったりんごを刻んでいきます。八つ割りにしたものを5〜10mmの薄切りに。切り方はどのようでも失敗はありませんが、表面積が多い方が発酵が進みやすいです。
④瓶を消毒する
瓶に雑菌がついていると発酵しにくいので、瓶の消毒はドリンク作りに外せない過程です。通常は煮沸消毒をしますが、大きな鍋がないときなどはアルコールで消毒します。写真の酵素もアルコール消毒です。
アルコールで消毒する方法
度数の高いアルコールを1カップ用意します。(焼酎25度、ジン40度など)
- 水洗いした瓶を伏せて自然乾燥させる
- 度数の高いアルコール (焼酎、ジンなど)を瓶に注ぐ
- ふたをして全体に行き渡るように振ったらアルコールを捨てる
煮沸消毒する方法
煮沸消毒も、慣れてしまえば簡単です。引き上げるときに熱いのでトングなどを使ってやけどしないように気をつけてくださいね。割れてしまうので沸いたところに瓶をいれないようにご注意を!
- 大きな鍋に水を張る
- 鍋の中に布巾を敷いて、瓶をいれる
- 瓶をいれててから点火して、沸騰してから5分煮る
⑤仕込む
瓶には先にりんごを入れて、後で水を注ぎます。満タンまでいれると発酵したときにあふれてしまうので、まずりんごを入れて、後から水を入れましょう。
てっぺんに余白が5センチほど残るように水の量を調整をしましょう。
しっかり発酵させるための3つのコツ
仕込みが完了したら発酵期間のスタートです。3つのポイントをおさえて、発酵が進みやすくします。
①蓋をして1日2回まぜる
ほこりが入らないようにキッチンペーパーを輪ゴムで止めてふたのかわりにします。酵素が呼吸するので、瓶についている蓋は使いません。これを1日2回開けて、静かに混ぜましょう。
②温度と湿度を確保する
事前に確認しておいた「湿度70度〜、温度20度〜25度」の場所に瓶をおきましょう。瓶のとなりに温湿度計をおきます。
③置き場所を移動する
1日たっても変化がなければ、浴室に移動します。(発酵が進んでいるかどうかの目安は次の章に詳しく書いています)
自分がお風呂に入るときには、濡れないように気をつけてそばにおいておきます。日中も可能であれば湯船を保温にして、浴槽にふたををした上に瓶をおいておきましょう。
これって発酵してる?酵素が見せる3つの発酵サイン
夏場は半日で発酵が始まり3日目には仕上がります。冬でも小さな瓶なら3日、大きな瓶なら5日くらいで発酵完了です。
発酵が進んでいないサインと原因
混ぜたときにしゅわしゅわと泡立たないときには、発酵が進んでいないサイン。原因は温度・湿度が低いことがほとんどです。
<対策>
瓶をそばにおいて、自分も心をゆったりさせてお風呂に入りましょう。冗談ではなく、作り手の心が整っていないと、本当に発酵が進まないということが多いのです。(雑菌が入ってしまったのでない限り、これで大体発酵が始まります)
発酵が進みすぎたサインと原因
甘い香りがしていない、白い膜が張っている、などのときは発酵が進みすぎたサイン。すぐに素材と原液を濾しわけて、原液を冷蔵庫に保存して飲み始めましょう。いやな匂いがなければ飲めます。
<対策>
白い膜はカビの一種らしいのですが、混ぜずにりのぞけば原液自体には影響がないそうでないそうです。ピンクや緑のカビは、残念ですが失敗のサイン。廃棄するしかないですね。
無事に発酵したときのサインと濾し方
混ぜた時に大きめの白い泡がたち、しゅわしゅわ音が出て、甘い香りがしてなめるとおいしいなら、大成功のサインです。それ以上発酵が進まないようすぐに濾して冷蔵庫で保存します。
<濾し方>
ざるにペーパーをかさね、素材と液を分けます。原液はすぐに冷蔵庫へ入れます。素材のかけらの使い道は次の章で詳しく書いています。
酵素ドリンクの保存方法と残った素材の活用法
酵素ドリンクの保存方法
原液は蓋がしっかりしまるボトルにうつし冷蔵庫で保存します。
残った素材の活用法
発酵し終わった後の果物は、ジップロックで板状にのばし冷凍庫で保存し、使うときにパリパリ折って使いましょう。砂糖を加えてジャムにするよりも、砂糖の代わりに調味料として使うのがおすすめ。とくに鶏と大根の煮物、豚肉のソテーなどのお肉料理によくあいます。
おいしい飲み方
まずは原液で
りんご酵素は淡い甘さと微炭酸がシードルのような味わい。甘さもすっきりしていてとても飲みやすいです。
甘くするなら甜菜シロップを
糖分をたしたいとき、はちみつがあいます。
ないときには、甜菜糖(てんさいとう)を熱湯でといた「甜菜糖シロップ」がおすすめです。「砂糖大根(ビート)が原材料の含蜜の甜菜糖」が、栄養面でも温め面でもパーフェクトです。
同じ茶色の砂糖でも、「三温糖」や「きび砂糖」は白砂糖と同じきびを原料とする体を冷やす性質の砂糖です。冷えが心配な方は、砂糖大根を原料としていて体を温める「甜菜糖」でつくってみてください。
紅茶、ワインに混ぜてヘルシーに
りんご酵素は紅茶と香りや味がよくあいます。赤ワイン、白ワインに酵素:ワインを1:2〜1:4くらいで割るのも最高の飲み方。酔わないし、次の日残らないので、初めての時はとても感動しました。
体によい効果の出やすいタイミング
時間帯
酵素ドリンクを飲むのは、朝起きたときや食前がベスト。
酵素は1時間もしないうちに小腸にとどきます。小腸は栄養を吸収する臓器ですから、酵素を飲むだけですぐに活力を作ることができるのはありがたいですね。
断食やファスティング目的なら
食事量を減らしたいときには、おなかがすくたびこまめに1口飲むのもおすすめです。
酵素は微炭酸で甘味もあるので、炭酸水を飲んだときよりも心地よく空腹がおさまります。本格的な断食やファスティングをするまでもないけれど、ちょっとダイエットしたいときにいい方法です。
効果の出にくい飲み方
あまり飲みたくないときには、飲むのを控えましょう。
食材はすべて、欲して摂るときに効果がひきだされます。飲みたくないな、と思いながら飲むときには、栄養が吸収されにくいのです。それではせっかく作った酵素がもったいないですよね。
心身への作用
体への作用
りんごは薬膳的にとても薬効の高い果物で、喉の風邪対策、血液をきれいにする作用が昔からうたわれています。ただし果物全般がそうであるように、そのまま食べると体を冷やす性質ももっています。
一方、酵素は「お腹が温まる」作用があります。ただ食べるだけなら冷えてしまう果物も、発酵させて酵素ジュースにすれば冷え性の方も安心していただけますね。
日常での効果
りんごと酵素が融合することで、日常の体調にはこのような変化が生じます。
体が軽く感じる
目覚めがよい(寝つきがよい/深く眠れる)
便秘解消
少食になる(断食・ファイスティングでも酵素だけを飲む手法がありますね)
肌がさらさらする(ほっぺや首に化粧水のようにはたいてアーモンドオイルでふたをして寝ます)
心への作用
味噌や醤油、ぬかづけなどもそうですが、発酵の香りに「リラックス効果」があることがわかっています。またよい香りによって、幸せホルモン「オキシトシン」などが巡ることもわかっており、発酵を待つ間の数日でも、こんな変化を感じます。
イライラしない
安眠できる
心が落ち着く
やる気がわく
他の果物でアレンジ
他の果物でもおいしい酵素を作れます。とくに発酵しやすいのは、梅、キウイ、アメリカンチェリー、パイナップルなどです。バナナ、すいかは何度やっても失敗してしまいます。大根でもおいしく発酵しました。
果物の選び方
酵素ドリンクに使う果物は、体調にあわせて選びましょう。この果物はどんなパワーをもっているのかな?と思ったら、この辞典がダントツおすすめ。
目の疲れに、胃もたれに、など日常的な表現がされていてわかりやすいです。
食養生の知恵 薬膳食典食物性味表[第3版]
まとめ
お砂糖がたくさん必要となるとお金もかかりますが、果物を水につけるだけなら気軽に色々試せますよね。私なりの発酵のコツはこの3つにつきます。
・農薬をとる
・温度と湿度を計る
・話しかける
話しかけるのは意外と大事で、なつでも1日留守にすると発酵しなかったり、秋の夜でもそばにおいた瓶がブクブク発酵し出したり、可愛いことに酵素はちゃんとした生き物なんですね。
また、私の気持ちや行動が荒れていると、酵素も甘い香りに仕上がらないんです。おのれの状態が映し出されてしまうのは、育児と同じでしょうか。
確かに冬は発酵に少し気を使います。でも酵素と過ごす寒い日の巣ごもりはなかなか楽しいものです。みなさんもぜひりんごのおいしいうちに、「砂糖なしのりんご酵素ドリンク」を育ててみてくださいね。
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