温活って言葉は、いつできたのかね?
先日お仕事先の女性と、そんな話になりました。
私たちのOL時代はなかったけど(15年前でだいぶ前)
今はパソコンで一度で変換されるくらいには、使っている。
日頃から体を冷やさない活動、それを心がけること、習慣。
それくらい、現代社会に冷えている人が多いということでしょう。
わたしはこの言葉を耳にするたび、意味を取り違えないでね・・とおせっかいおばさんが入ります。
温活の中には、「温め上手になろう!」というものもあり、これは冷えてしまうこと前提だけれど、そうではなくて、「冷えない体質になろう!」という方の温活を、推したいのです。
東洋医学には「根治」(こんち)という言葉がありますが、
「なんか今年、足冷たくない気がする」
と、ある年思うような、温活はぜひ、そちらを目指してほしいのです。
冷えの2つの在り処
それには、自分の冷えの在り処ついて知っておくといいかもしれません。
冷えは大きく、2つに分けられます。
1つは「体表」の冷え
こちらは体の表面だけの冷えです。
「生姜」や「ネギ」や「スパイス」などを食べたり、肺の経絡ヨガをすることで、わりとその場で解消します。「体表冷え性」は短いスパンで改善できるのが特徴です。
もう1つは「体内」の冷え
これは体の奥に原因がある冷えです。
「なつめ」「黒豆」「くるみ」などを食べたり、腎臓の経絡ヨガをすることが解決につながります。ただし、「体内冷え性」はすぐには改善しにくく、根が深いのが特徴です。
つまり「体表」より「体内」のほうが深刻なんですね。
そして、現代の女性に多いのは「体内冷え性」で、治るのにだいぶかかるのかな、と、みんなして気が遠くなってしまう。
でも、こう考えてみてください。
奥の冷えをなくすのに必要なのは、
「血を作る」と「血を巡らす」だけだと。
冷えているとき、この2つが低下している。
冷えとはそういうことなんだと。
体内温活とは
「血を作る」と「血を巡らす」を促すことを、ここでは「体内温活」と呼びます。
それには何をすればよいのでしょうか?
一見難しいことのように思えますが、実はこの「血を作る」、「血を巡らす」は、どなたも日常的に、よく体験されている状態です。
たとえば、お掃除をしていたらだんだん暑くなってきて、1枚脱いだりする。あれはまさに「血を巡らす」をしたことであるし、
約束の時間に間に合わせようと軽く走ったら息が上がって、体がポカポカしてくる。これはまさに「血を作る」のほうが起きたことになります。
(この場合の「血を作る」は、血中の酸素が増えるという意味です)
そんなこといっても、いつもいつも暑くなるほど動けないし、走れないよと思われる方もいるかもしれませんが、ここではまず、
奥の冷えの原因をなくすことはそんなに難しいことではない
ということを、頭の隅に置いておいていただけたらと思います。
その上で、食べ物のお話です。
飲む輸血、なつめ
ははあ、だからなつめが体にいいって言われるのね、と、「飲む輸血」という言い方をすると、必ずそういわれます。
ザ・漢方 の印象の強いこの果物。
そう、なつめは漢方の食材です。
ですからあまり馴染みがない方も多いかもしれません。でも意外とあなどれないので、ここではあえて、ご紹介します。
栄養からみていくと、ミネラル、ビタミンB群、たんぱく質、食物繊維、鉄分など、女性に必要な栄養素が、バランスよく含まれているといわれていて、特に鉄分の含有量は、果物の中でもトップクラスとささやかれています。
血の女王ですね。
また、薬膳からみると、なつめは腎臓に働きかける食材でもあります。
東洋医学で腎臓といったら、子宮や卵巣に深い関わりがあり、寒さに弱い内臓です。
つまり、赤ちゃんがほしいとか、生理痛をなんとかしたいときには、腎臓のある腰が冷えない方がいいということがいえるのですね。
腎臓=冷え=子宮
なのです。
また、解剖生理学からいうと、腎臓は尿をつくる内臓ですよね。
ですから、腎臓は血液を大量に必要とします。
なぜなら、350mlペットボトル1本分の尿を作るのに、バケツ何杯分かの血液が必要なのです。
つまり血が足りていないと、尿が出せないことで老廃物がからだを巡ってしまいます。
冷えは、疲れやすさを併発することが多いのはこのためとも言えます。
腎臓=尿=疲れ
でもあるのですね。
これら全部になんとなく関わる、比較的手に入りやすい漢方が、なつめです。
血を作る食材というだけならほうれん草、さば、牛肉などなどあげれば100食材以上ありますが、もちろんそれらもとりあわせながらがよいですね。
1日の摂取量の目安は、3粒といわれています。かの楊貴妃が、1日3粒を食べていたという言い伝えがあるとか。
ただしそれは、あくまでも目安であって、たとえばウッと吐きそうになりながらムリに3粒食べるのはおそらくよくないし、もっと食べたいと感じたら、もっと食べていいと私は思います。
主食を春雨に…温める?冷やす?
ところで、「まごわやさしい」ってありますよね。
体にいいといわれている食品群の頭文字で、「ま」は豆のこと。ご存知の方も、多いと思います。
以前、友人たちと、まごわやさしいを全部使って毎食食べよう、みたいな試みをして、写真を送りあったりしたのですが、そのとき、
「春雨も緑豆で豆だから、「ま」だよね!」
と、春雨を主食にしていた友人がいました。
たしかにヘルシーですが、体内温活中、はちょっとNGかもしれません。
なぜなら、「緑豆」はからだを冷やす豆なのですね。ベトナムなどの暑い国で常食されています。
かき氷のチェーにのっている緑のあんこが緑豆で、体内の熱を冷ます力がある。だから暑いときに美味しい。
でもここは日本で、年中暑くはない。
まして体内を温めようというときには、どうかなということで、じゃあ、春雨をうどんにすればいいかというと、小麦も冷やす食材だし。
黒豆春雨ってないのかな、とよく思います。
黒豆は温性なんですよね。たしかにお腹冷えたなと思うときは、緑茶より黒豆のお茶がおちつきます。
なので麺でいうなら、この間あわ麺という、アワでできた麺をみつけましたが、もちもちしておいしいし、あわはからだを冷やしませんから、温活には春雨よりいいかなと思いました。
また、十割であれば日本蕎麦も特別温めはしないけれど冷やさなから、何束か買い置きしています。
豆に戻りますが、大豆は、温めも冷やしもしない豆です。
ただ豆乳は、とりすぎるとホルモンのバランスが崩れることが、研究でわかってきているようです。
たしかに豆乳をたくさん飲むと、私も疲れるときがあって、ホルモン説に心当たりあり。
そんないきさつがあって、
豆は黒豆、果物はなつめ
が、血を作る+腎臓=体内温活に、最強のコンビだと、長年思っています。
背中のバキバキ、要注意
最後に、ツボのことを。
いまある冷えが、体内冷え性かどうかは、こうするとよくわかります。
体内冷え性と体外冷え性の見分け方
(1)壁に胸の高さくらいで手をついて、1メートル離れて脚を開き
(2)腰を後ろへ、できれば肩が腰の高さになるまでひいていく
これで足の裏か背中がピキーッと痛い、もしくは気持ちいいときは、「体内冷え性」の可能性大。
その理由は、背面(首、肩甲骨、背中、腰、ももの裏、膝裏、ふくらはぎなど)に腎臓のツボがたくさんあるから。
伸ばして気持ちいいなら、詰まっていたというサイン。
腎臓が超絶元気には働けていないサイン。
冷えはとにかく腎なので、体内温活中は、(1)(2)(3)の場所を、ストレッチしておいてみてください。
ポーズを写真やイラストでお伝えしたいところですが、もしZoomが使える方は「10分ヨガ」、来られますか?
「腎経」を巡らすポーズは、毎回必ず、必ず、いれています。
私の冷え性
私は30代のころ、厚手タイツ3枚ばきするほどの、重い冷え性でした。
寒いことで機嫌さえ悪くなる。OL失格、主婦失格でした。
でも、治ったのです。ほんとに驚きました。嬉しかったな。
薬膳とヨガを1年、2年やったあたりから、自由。そんな心地がしました。
その頃からなつめ、黒豆は好きで、ヨガも背面や腿の裏を伸ばすポーズは気持ちがよくて、限界まで、あと5ミリあと1センチと、汗だくでポーズをしていました。
体質にもよるとは思いますが、一般的に良しと言われているこの3つを、まずはやってみて、それで変化がなければ、食材と、ポーズをかえてみるのでどうでしょうか。
根治はもともと、手を替え品を替えでじわじわわ必ず結果がでるものです。
冷えをあきらめないでください。
ということで今日は、
冷えが一生のつきあいなんてとんでもない。腎臓のSOSです。すぐに応えてあげてください。
というお話でした。
今の毎日でできること、ヒントにしてもらえたら嬉しいです。