こんにちは!薬膳ヨガ®︎の深井みほ子です。
今日は薬膳のブログ講座です。
薬膳師の日常
「みほこさんは薬膳師さんだから体に良いもの食べてそう」とよくいっていただくのですが、とんでもない。食べているものそれ自体はいたってふつうです。しいて違いをあげるなら、献立の立て方でしょうか。
今日はスクール指導歴13年の私の献立作りの方法をご紹介します。この方法ならレシピ案はほぼ無限。ネタ切れということはまずありません。
献立作りがめんどう!
ワンパターンでつらい!
というみなさん、これからは薬膳でラクしましょう。
これを読めば毎日の献立に薬膳を使わない手はない理由が、よーくわかりますよ。
献立作り①「効能ってなんだ」
まず薬膳には《糖質》とか《タンパク質》とかの「栄養」がありません。そのかわりに「効能」というものがあるんですね。
「効能」とはこんなもの。栄養と字面を見比べてみましょう。
「栄養」(一例) | |
ビタミンC|炭水化物|タンパク質 |
「効能」(一例) | |
明目(めいもく)|補気(ほき)|止咳(しがい) |
どちらも同じ「食べ物の作用」ですが、字面は金髪のアメリカ人と黒髪の日本人くらい違います。そう、「効能」は漢字なのです。
えー漢字やだ、と思う方も多いでしょう。でも使い勝手がいいのは、「栄養」より「効能」です。なぜなら、パッとみて意味が想像できるから。
以下をご覧ください。
明目 目を明るくする → 目の疲れによいで合ってますよ
補気 気を補う → パワーチャージっぽい感じです
止咳 咳を止める → まんまです
ビタミンCやタンパク質なら、こうはいかないはず。だから「ビタミンC 作用」と検索したりするわけです。
薬膳なら検索無用。これが薬膳が日本人に好まれる理由なのです。
薬膳は漢字だけど意味がわかる
しかし、そんな薬膳にも1つ壁があります。
献立作り②「一家に一冊効能辞典」
薬膳の壁。
それは「めいもくの食べ物は?」ときかれたときに、食材がわかんない〜〜〜ということ。そりゃそうですよね。「ビタミンCならレモン」みたいに「めいもくといえば人参」なんて、薬膳知らなければ出てきません。
だけどこれはこの方法で解決。その方法とは「辞典で食材をひく」ということ。
使いやすいのは断然これ(薬膳関係者はたぶんみんな持ってる!)
食養生の知恵 薬膳食典食物性味表 [第3版]
ペラペラで初めてでも食材を探しやすいのを選んでご紹介しましたが、他にも種類はいろいろあります。うちのスクールではみんなこれを使っています。
さっそく先ほどの3つをひいてみました。
【明目】 人参、ししとう、鶏レバー などなど
【補気】 白いごはん、鮭、味噌 などなど
【止咳】 ふきのとう、オリーブオイル、海苔 などなど
1つの効能にたくさんの食材があるのですが、そこはビタミンCなどと同じ感じです。上記は、今食べたいものを3つ選びました。ふむふむ、私は特技「創作レシピ」なので一丁、この9品で献立をたててみますね。
【明目の薬膳】
目が疲れやすい人の薬膳
「人参とししとうと鶏レバーのピリ辛オイスターソース炒め」
(作ったことないけど絶対おいしい)
【補気の薬膳】
疲れている人の薬膳
「鮭のおにぎりとお味噌汁」
(レシピとはいえないか・・)
【止咳の薬膳】
喉をいためやすい人の薬膳
「ふきのとうと海苔のオリーブオイルで揚げる天ぷら」
(これはリピート多め)
いかがでしょう。即興のわりにおいしそうにできました。先ほど申し上げたように、1つの効能にたくさんの食材があるので
効能×炒め物(フライパンで加熱するだけ)
効能×炊き込みご飯(炊飯器にいれるだけ)
効能×蒸しもの(蒸してポン酢を添えるだけ)
のように無限に献立が生まれます。今夜は人参とレバーのやつ、今日作ろうっと。
というわけで今日は、
薬膳なら献立作りは無限
というお話でした。
効能辞典は一家に1冊!
雑談:深井家のふきのとうから思うこと
ここまでかいて、思い出したことがあります。
毎年この時期になると庭に↓
ふきのとうが生えて、ごほうびヨガのクラスによくもっていきました。咳体質の人が多かったのですよね。「昔からふきのとうは喉の薬といわれているんですよー」とかいいながらよくお裾分けしたものです。
ごほうびヨガというのは、薬膳おやつのついた経絡ヨガのクラス
でも、ちょっと待って。思い出したのはこの、
「昔から○○は〜〜の薬といわれていた」
の話を、ある交流会でしたときのことです。
「食材って本当に効果とかあんの?僕なんかはつい思っちゃうのよ」とどっかの経営者のおっさん、いえ、おじさまが言ってきたんですね。
きた、大好物の話題!
私はここぞとばかりに(論破のための)ミニ薬膳講座を始めました。
ミニ薬膳講座、ここから↓
「確かにそうですね。でも考えてみてくださいな。
昔は薬がなかったから、食べ物で病気を治してきた歴史がありますよね?
確かにそのあと「薬」が伝来しましたが、食材のもつ「元・薬」というプロフィールは健在です。薬としての作用はなくなったという歴史もありません。
だから私は食材を薬として使わない手はないと思っているのですが、どうですか?」(にっこり)
おじさん、「おねえさんいいねえ、朝礼で話していい?」と、いそいそメモをとってらっしゃいました。
薬膳をやっていたら当たり前のことが初めてきく人には新鮮、ということがよくあります。
でも、本当に当たり前のことです。
食材は「元・薬」。治す力をもらおう!
というわけで、今日は「栄養」VS「効能」はどちらが使いやすいかでいうと、圧倒的に「効能」に軍配が上がるよというお話でした。
みなさんも献立づくりがめんどうくさいときに薬膳を使ってみてください。
効能辞典には「止咳」のようにわかりやすいもの以外に、わけのわからないレアな効能も出てくるので、たまにブログで解説しています。前回はこちら、今後も追記していきます↓